Sha Mal
Profile
・英彦山(福岡県)の麓、添田駅前の食堂(母の実家)で産湯に浸かり
・北九州市内の小中高校卒業後
・神奈川の大学に進学し、そのまま就社
Story
平成元年に結婚、平成5年に長女を授かり、どこにでもいるサラリーマンでしたが、平成20年に協議離婚に至り、自分の命よりも大切な娘と離別する選択をしました。
リーマンショックを機にマネー至上主義に大きな疑問を抱き、トランジションタウン活動やパーマカルチャーを知り、半農半X的な循環する暮らしへのシフトを志向しはじめていました。
2011年、東日本大震災を神奈川県葉山町で体感し、直接の被災は無いものの、テレビ放映されたお父さんの後ろ姿、家族と財産を瞬時に失った背中が瞼に焼き付きました。明日は我が身かもしれない。
心と体に大きな衝撃が走りました。
本当にやりたい事は何?
廃業してでもやりたいのか?
実家のある北九州へ車で避難の旅生活をする中、キャンピングカーで旅がしてみたいという小さい頃の夢が甦りました。時間に束縛されず、景観のイイ場所で起きて、心の底から湧きあがる今日やりたい事に素直に従う、場所にも束縛されない旅生活とは、どんなものだろう?
数年以内に世界的な金融崩壊が起こり、金融危機になるだろう。損保代理店を廃業することは、娘との離別に比べれば容易な選択でした。
友人からの助言
『普通のキャンピングカーの旅なら余裕のある人の道楽だよ。廃食油でも走る様に改造して頭を下げて油を集める行為があるのなら、きっと何かにフックするだろう。それならやる価値があるのかもしれない。』
49歳、ちょっと遅すぎる無謀な冒険、ちょっと早過ぎるビジネスからの完全離脱、廃食油でも走るキャンピングカーの旅生活は、こうしてはじまりました。
旅のはじめは、311で西日本に分散した友人知人を訪ねながら『先の予定を出来るだけ立てない、素直に心の声に従って頭で考えた目標や目的を持たずに生きる』当時はそれが本当にやりたい事でした。油の心配をしながらも、目的の無い旅を続けました。
課外授業に究極の多目的エコカーとして出動
Greens記事 『 エコカーハウス イイから号 』https://greenz.jp/2014/01/06/iikarago/
必要なものは必要な時にやって来る?
そんな旅生活も2年目に入る頃、天ぷら油を授かる事が途絶えれば、油のご縁の旅を終わらせよう。
心の片隅のこだわりが消えた瞬間、
『そろそろ油、溜まってるから寄ってね〜』と油スポンサーさんから連絡を頂ける様になりました。ゲットオイルを手放して、イイ波に乗れたのでしょうか? 必要なもがやって来る感覚を覚えました。
30ヶ月が経過し旅路は8万キロ。この間ガソリンスタンドで軽油を給油しなかったので、燃費10km/㍑程度だったので、植物油を累計8トン授かった事になりました。
本当に廃食油と未開封オイル、バイオディーゼル燃料のご縁で繋がった旅となりました。
たくさんのフックを経験し、プライスレスな旅をプレゼントされました。 ありがとうございました。
セレンディピティ
必要な時に必要な分、授かるだけでなく、
心の声に素直に従って過ごしていると、想定した事が空振りに終わっても、すぐ近くに大切な体験や人との出逢いが待っていました。
偶然を装った思いがけないドラマは、ハラハラとドキドキ、たまにトキメキを与えてくれました。
逢うべくして出逢える人とは、はじめから約束なんて無いし、約束していなくても必要な人にベストタイミングで出逢えるのだ。
毎日の自分のココロの声を信じて素直に従うトライアルは、想像以上にドラマチックでした。
すべては、はじめから完璧に用意されているのかもしれない。
ひれ伏すほどに畏敬の念を感じる山、滝、磐、
息をのむ景観、空、海、太陽、月、星々、
大いなる何かの存在が身に染みました。
素敵な出逢いと別れ、
不義理なこともやらかしました。
本当にごめんなさい。
ひとつひとつが貴重な体験であり財産です。
まだ消化しきれていない事もたくさんありますが、大切な財産です。
きっとこれからこの身のある限り深く味わう事になるのだと今は思います。
母の入院で北九州へ
天ぷら油での走行でエンジンのゴム系の劣化でしょうか? 登坂能力が落ちてきた頃、ひとり暮らしの母親が入院し、故郷北九州に戻りました。
メンターでもあり、大恩人の方の山に場所をお借りして、イイから号を格納するために一辺10m高さ6mのピラミッド型温室(旅の途中から夢に出てきて嫌われ者の竹と廃材を活用して、自分が作っているところ)を現実でセルフビルドしました。
『 イイから号 』天ぷら油のご縁むすひの旅 https://ameblo.jp/kenchan888
ピラミッド型温室で自給自足にトライ
そこは、小倉のネオン街を一望出来る自然の残るプライベート空間です。これまでの経験を活かし、やりたいことを実践する場となりました。電気の自給、雨水の活用、野菜栽培、コンポストステーションとコンポストトイレを作って循環型の半自給自足で暮らすことを自由にやらせてもらいました。
チベット体操や呼吸法、ロープワークを日課として気持ちいいカラダを感じる暮らしをしていましたが、2015年8月の台風15号コニーの直撃で周辺のビニールハウスと同様に大破してしまいました。自然の猛威の前に、人は無力である事を痛感しました。数ヶ月間、片付けられない程に落ち込みました。初めての被災体験でした。
数ヶ月後、やっと奮起して今度は、2×4材を多用した進化版ピラミッド型温室(25㎡の2ndフロアのある)をセルフビルドしました。フルーツトマトやハーブに囲まれた暮らしを味わいました。
ここには、最愛の娘も遊びに来てくれました。
鉄板+軽トラ=移動屋台
旅先で好まれた『自家製クラフトビール』と『ベジお好み焼・ベジ餃子』を作り、満月に持ち寄りの宴会を友人知人と楽しむ中、業務用鉄板と軽トラが手に入りました。軽トラに鉄板を載せると移動屋台ではないか? 小倉城で屋台をやる夢が膨らみました。
ピラミッドの中で屋台を作り、焼き鳥屋台の会社に履歴書を持って相談に行くと、すべてサポートするからあなたの好きな様にやって下さいと営業現場まで確保して頂きました。
『旅する屋台イイから』の誕生です。
そして翌年には、念願の小倉城やグリーンパークを拠点にカラダに優しい『大麦粉お好み焼』『オム焼そば』『玄米ソバ飯』でランチケータリングやイベントに多数出店させて頂くことになりました。
これもまたミラクルです。
日南では『 Zio Tege-Tege 』に屋号を変更して飲食店営業許可と仮設営業許可、行商許可を取得しました。
ココロのリミットを外す魔法の箱
この間、軽トラの荷台に載せる屋台を数台自作し、数台お嫁に行きました。軽トラ屋台で阿蘇まで旅をしましたが、以前の様な快適な空間とは言えず、ロフトベットの付いたキャンピングカーが欲しくなりました。
4WDのトラックが格安で手に入り、荷台に載るシェル『 IIKARAV号』を自作しました。屋台のオフシーズンには、旅生活を復活させ、長野県安曇野で開催された『キャンパーフェス』に九州から2度参加しました。(天ぷら油でも走る改造はまだしていませんが・・・)
自分にとってひとりの旅生活とは、客観的に自分を見つめることになる時間です。粗食になるとカラダを素直に感じやすくなり、ココロのリミットが外れ、より深い自分との対話が出来る気がします。すべての答えは、はじめから自分の中にあって、セレンディピティとして現れればハッピーですね。
2018年の冬至に兵庫県千ヶ峰の麓で暮らす悟空さんから宇宙名『 Sha Mal 』(シャマール)を授かって以来、新しい出逢いもあり、あれよあれよと言う間に南国の日南南郷で暮らしています。
海まで散歩できて自然に囲まれた静かな場所で暮らしたい。暮らしに直結した創作活動ができるライフスタイルを持続したい。南向きのひな壇に食べれる庭と食べれる森を創りたい。ずっと夢に観てきた想いが、叶いました。
これから創造するフィールドを『Zio Tege-Tege』と名付けて適当なオヤジに専念したいと思います。
たまには仕込んだクラフト・ビールを持って
『 IIKARAV 』で旅にも出ます。
旅先でお逢いしたら乾杯しましょうね!!
外に何が起きようと
あんしん・自由・心地よさ
ほんとに欲しいものは、そんな心の状態ですね。
最後までお読み下さり、ありがとうございます。
どうぞ、遊びに来て下さい。
お待ちしてま〜す。
Sha Mal
連絡先
場所|日南市南郷町贄波739番地
連絡|creatorshamal@gmail.com